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なぜ、刑事ドラマはおもしろいのか。

NAZEDEKA。刑事ドラマを中心に「映画・テレビドラマ」について語っています。

刑事ドラマ research 3 「誕生2 ~事件ドラマ~」

太陽にほえろ!」より前の作品は「刑事ドラマ」ではなく「事件ドラマ」と呼ばれていました。

「刑事」が主役ではなく「事件」そのものや「犯人」が主役として描かれていたからです。刑事が主役の人間ドラマを描くのではなく、事件そのものや犯人の人間ドラマを描く事が主体の作品でした。

この際、刑事の位置付けは物語の「進行役」に過ぎませんでした。「事件が起きて犯人がいれば、事件を捜査したり、犯人を逮捕したりする刑事も必要だよね」程度の感覚で、刑事が苦悩したり成長したりする、刑事側の人間ドラマは描かれなかったのです。

これは刑事に対するイメージが深く関係しています。当時(1950~60年代)の警察官・刑事に対する世間のイメージは警察官犯罪が横行している現在とは違い聖職者として尊敬の念が強かったと思われます。しかし、テレビドラマにそのような刑事を登場させる際、主役に設定するには面白味がありません。ドラマの主人公としては完成されてしまっているからです。

「すでに人間として人として完成されている「刑事」を主役にドラマを作って何がおもしろいんだ?」という考えがあったのです。

その為「事件」を通して何を感じるかを問いかけたり、犯罪を犯してしまった、人間として完成されていない「犯人」が苦悩する人間ドラマを描くドラマ作りをしていました。

この際、刑事達はイメージ通りの堅物刑事となっており、個性が与えられませんでした。最初から完成されている為、画面に登場するのはオジサン刑事ばかりで、事件関係者に掛ける言葉も決まりきった文句となり、服装はスーツ、髪型も平凡で、中も外も個性的とは言い難い刑事像でした。これにより、個性のない刑事達は進行役に徹する他無かったのです。

太陽にほえろ!」以前は「事件ドラマ」であって、刑事が主役・主人公の「刑事ドラマ」とは言えないものでした。

この「事件ドラマ」時代が続く中、颯爽と登場したのが太陽にほえろ!」です。

太陽にほえろ!」が新しい試みをして「事件ドラマ」に新風を吹き込みました。

太陽にほえろ!」が「事件ドラマ」から「刑事ドラマ」への移り変わりのきっかけになったのです。
(3に続く)