なぜ、刑事ドラマはおもしろいのか。

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あぶない刑事 research 2 「第2話 救出」

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基本データ

メインタイトル:あぶない刑事
話数:第2話
サブタイトル:救出
放送日:1986年10月12日(日)
視聴率:13.5%
監督:手銭弘喜(初)
脚本:那須真知子(初)
ゲスト:山田隆夫、兼松隆、吉沢健
主役:タカ(2)、ユージ(2)
準主役:トオル(初)
銃撃戦:B
爆破:なし
格闘:B
カーアクション:B

概要

サブタイトルは「救出」。
手銭弘喜初監督、那須真知子初脚本作。
トオル初準主役作。

銀行強盗未遂犯に拉致されたトオルを港署一丸となって救出すべく奮闘する物語です。銀行強盗未遂事件からトオル救出に至るまで、派手なアクションとトオルの安否を気遣う港署メンバーの動向を交えつつ描く、アクション・ヒューマン作品となっています。また、犯人に拉致されたトオルの明暗にも注目です。

解説

・アクション

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本作のアクションは「カーアクション」と「銃撃戦」がメインです。
「カーアクション」は、走る車のボンネットにしがみつくタカ・車のアクションがあります。「銃撃戦」は、タカ(拳銃)・ユージ(拳銃)・トオル(拳銃)と犯人(拳銃)の銃撃戦、タカ(拳銃)・ユージ(拳銃)の射撃練習場の銃撃があります。その他は、トオルの格闘等があります。

・ヒューマン

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本作のヒューマンは「港署メンバー」がメインです。
トオル救出に向けて課を越えた協力捜査が展開される中で、トオルに対する港署メンバー各人の思いが描写されています。

豆知識(ネタバレ注意)

・口の周りにパン粉!?

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劇中、山田隆夫さん演じる依田が走った事で気持ち悪くなり、吐いてしまう展開があります(吐く描写自体はありません)。その際、吐いた後の感じを出す為、口の周りに濡らしたパン粉を付けたそうです。これは柴田恭兵さんのアドバイスによるもので、山田さんはそれを聞いた際、柴田さんは色んなアイディアを持っている素晴らしい役者さんだなと感心したとの事です。

・ユージは2度「救出」する!?

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劇中、トオルが廃墟に置き去りにされ、取り壊しが開始された直後にタカとユージが駆け付けるシーンがあります。実は、柴田恭兵さんの主演刑事ドラマ「はみだし刑事情熱系」PART1第14話「レイプ!涙の銃弾」(1997年1月29日放送)でも、犯人により廃墟に女の子が置き去りにされ、取り壊しが開始された直後に柴田さん演じる高見刑事が駆け付ける、本作と酷似したシーンがあります。ユージは2度「救出」する事になったんですね。

収録ソフト

・単品

あぶない刑事 VOL.1 [DVD]

あぶない刑事 VOL.1 [DVD]

 

・BOX

あぶない刑事 DVD Collection VOL.1

あぶない刑事 DVD Collection VOL.1

 

 

考察(ネタバレ注意)

本作は第1話と対照的な作品である。第1話は人間ドラマを重視し、アクションが小規模であったのに対し、本作のアクションは爆破以外の要素が派手さを強調して描写されている。また、脚本家が那須真知子であり女性である。今回はトオルが準主役で物語の中心となっているが、これは那須真知子が「ビー・バップ・ハイスクール」の脚本を執筆した事に起因するものであろう。ストーリーはトオル拉致監禁された事に対する救出劇である。まず、味方側の港署メンバーの描写であるが、署員総動員で捜査される中で比較的武田の描写が多く感じられる。私服の面々が多い中、制服警官である武田の描写を多くする事で、港署の一体感を強調する効果が上げられている。また、近藤課長と松村課長のみ過去に似た事例を体験している描写が織り込まれており(詳細は不明)、監禁されているトオルの描写の軽さに重みを付ける役割を担っている。次に犯人側の描写である。やはり目を引くのは依田だ。依田はとてつもなく横柄な態度をとっている。この依田の描写は、演じる山田隆夫のイメージと小男であるギャップによって、視聴者も驚きと苛立ちを隠せないであろう。また、犯人グループの3人は何れも素人である。上記の依田の態度に加え、村井はすぐカッとなり、相沢は女子高生誘拐も企てた。素人であるが故の怖さが精神的な強さとなり、タカ・ユージ・トオルに壁となって立ち塞がっている。トオルは殺されかけ、タカは頬を札束で引っぱたかれ、ユージは女子高生を人質にされた。中でもユージは身代金を運ぶ途中、依田の裏切りによりタカを負傷させられ、1人で身代金を持ちながら走り、挙げ句の果てには女子高生を盾にされた。一連の精神的な苦痛の描写は、観る者に鬼気迫るものを感じさせる。本文の冒頭、本作は第1話と対照的な作品であると述べたが、1つ大きな共通点がある。それは、刑事側犯人側双方の中心人物として若者が配されている点だ。本作ではトオルと依田が該当する。本作は展開スピードやアクション等、物理的な要素は第1話と反対であるが、精神的な要素は寧ろ一致している。これは、劇中の村井とタカによる「お互い若い者には苦労する」というセリフに集約されているのではなかろうか。