なぜ、刑事ドラマはおもしろいのか。

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あぶない刑事 research 5 「第5話 襲撃」

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基本データ

メインタイトル:あぶない刑事
話数:第5話
サブタイトル:襲撃
放送日:1986年11月2日(日)
視聴率:14.5%
監督:長谷部安春(3)
脚本:田部俊行(初)
ゲスト:大林丈史、関根律子、浜田晃、清水紘治(セミレギュラー(2))
主役:タカ(4)、ユージ(5)
準主役:なし
銃撃戦:B
爆破:なし
格闘:B
カーアクション:なし

概要

サブタイトルは「襲撃」。
田部俊行初脚本作。
銀星会初登場作。
柴野悟登場作。

タカの追う銀星会絡みの麻薬取引とユージの追う宝石店強盗事件が1つに繋がる物語です。初登場となる銀星会の影を下地として展開する中で、県警との軋轢が生ずるも、犯人逮捕に挑む捜査課メンバーを描く、アクション作品となっています。また、タカと銀星会幹部のファーストコンタクトにも注目です。

解説

・アクション

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本作のアクションは「銃撃戦」がメインです。
タカ(拳銃)・ユージ(拳銃)と犯人(拳銃)の銃撃戦、島崎(ショットガン)の銃撃があります。その他は、ユージ・吉田・谷村の格闘等があります。

・ヒューマン

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本作のヒューマンは「捜査課メンバー」がメインです。
県警の意向により捜査ができなくなったタカとユージに同調した近藤課長以下捜査課メンバーの犯人逮捕に向けた協力プレーが描写されています。

豆知識(ネタバレ注意)

・「おれはやくざだ!」

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劇中、浜田晃さん演じる銀星会幹部が本を読んでいますが、この本は「おれはやくざだ!」(著者:ミッキー・スピレイン、発表年:1963年)というアメリカのハードボイルド小説です。この作品は、主人公のライアンが前科者でありながら、警察の要望によりヤクザとして麻薬組織へ潜入する物語です。その為、「麻薬」がキーワードとなっている点が本編と繋がっています。

収録ソフト

・単品

あぶない刑事 VOL.1 [DVD]

あぶない刑事 VOL.1 [DVD]

 

・BOX

あぶない刑事 DVD Collection VOL.1

あぶない刑事 DVD Collection VOL.1

 

 

考察(ネタバレ注意)

本作は第1話と第3話においてタカの口から語られていた銀星会の初登場作であるが、第5話目にしてアクション刑事ドラマのスタンダードエピソードと呼べる作品となっている。麻薬取引に強盗事件、ヤクザ、麻薬中毒、立て籠もり、銃乱射とアクション刑事ドラマらしい要素が連なっている。更に、犯人が初めてプロであり(第4話も元ヤクザではあるが、犯人側の描写は皆無に等しい為)、最後は犯人グループを追って無人の施設でのバトルに至る流れも定番である。導入部ではコンビ物の特性が活かされており、主役の2人がそれぞれ別々の事件を追い、1つに繋がる展開はバラエティに富んでいて、柴野の登場も全体の膨らみに一役買っている。本作のヒューマンは「捜査課メンバー」であるが、注目は吉田と谷村である。2人には格闘アクションの見せ場が用意されており、サブ刑事の中でも出番の少ない2人に見せ場を作る事で、捜査課メンバーの一体感が強調されている。これは、第2話における武田の描写が多くされている点と同じ効果を生んでいる。ラストのバトルシーンには演出にも特徴がある。吉田と谷村のシーンではBGMが無くシリアスな空気感となっており、続くユージのごみ箱ギャグでコミカルさを出し、軽快なBGMでタカとユージが犯人を追い詰め、最後はタカが美女とボートで消えるオチとなっている。一連のシリアスからコミカルへの流れがグラデーションで描写されており、定番の流れを「あぶない刑事」らしく演出したといえる。また、本作にはタカとユージの性格の違いを非常に分かりやすく表現している場面がある。それは、中沢ヨリカの取り調べシーンである。ヨリカの態度にユージは感情的になり、ヨリカの頭を壁に何度も打ち付けるが、タカは動じず虚無的な考えで諦め切った対応をする。2人の性格であるドライとウエットの違いが生々しく分かる描写である。本文の冒頭、本作は銀星会の初登場作であると述べたが、銀星会と事件は直接的な繋がりは無く、直接対決は描かれていない。しかしながら、タカと銀星会幹部のやり取りは本作で最も見応えのあるシーンであり、対決の火蓋を切る序章と呼ぶには十分である。