なぜ、刑事ドラマはおもしろいのか。

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あぶない刑事 research 3 「第3話 挑発」

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基本データ

メインタイトル:あぶない刑事
話数:第3話
サブタイトル:挑発
放送日:1986年10月19日(日)
視聴率:14.9%
監督:長谷部安春(2)
脚本:柏原寛司(初)
ゲスト:吉宮君子、阿部雅彦、粟津號
主役:タカ(3)、ユージ(3)
準主役:なし
銃撃戦:C
爆破:なし
格闘:B
カーアクション:C

概要

サブタイトルは「挑発」。
柏原寛司初脚本作。

改造拳銃を使用し、警察の目前で次々と狙撃を実行する犯人を追う物語です。正体の掴めない犯人の不気味さが漂う中で日常的な描写を織り交ぜつつ描く、アクション・ヒューマン作品となっています。また、犯人が素人であるが故の「改造」拳銃にも注目です。

解説

・アクション

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本作のアクションは「格闘」がメインです。
ユージと新庄の格闘があります。その他は、車・バイクのアクションやユージの銃撃等があります。

・ヒューマン

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本作のヒューマンは「偏愛」がメインです。
愛する女性の為なら殺人をも厭わない犯人の異常愛が描写されています。

豆知識(ネタバレ注意)

松田聖子!?

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劇中、少年課で補導された少女が名前を聞かれた際、「松田聖子」と名乗るシーンがあります。この少女は妊娠していて、当時の芸能ニュースを賑わしていた松田聖子さんの妊娠・出産の話題を反映しています。なお、神田沙也加さんの生年月日は「1986年10月1日」であり、本作放送の18日前です。

収録ソフト

・単品

あぶない刑事 VOL.1 [DVD]

あぶない刑事 VOL.1 [DVD]

 

・BOX

あぶない刑事 DVD Collection VOL.1

あぶない刑事 DVD Collection VOL.1

 

 

考察(ネタバレ注意)

本作は「改造拳銃」がキーアイテムとなっている。これは、脚本家がガンマニアである柏原寛司の影響によるものであろう。なお、第1話から3話連続で犯人は改造拳銃を使用している。更に、3話連続で犯人は素人であり、タイムリミット的要素も3話連続で盛り込まれている(本作は拳銃の暴発、第2話は取り壊し寸前の廃墟)。3つの要素が3話連続で描かれている点には驚かされる。本作を俯瞰すると、緩急のある作品となっている。具体的には、作品全体が日常性と非日常性の対比により描写されている。大きな点では、掴み所のない事件に対し、港署の壊れたトイレや近藤課長の家庭事情、表向きは弁当屋でありながら、裏では改造拳銃の請負をしている竹上の描写。小さな点では、暴発の危険がある拳銃を持った脇坂を追跡する間における、タカとユージの女の子とのやり取りや走り疲れ、追い詰めた脇坂と対峙する中、それをコミカルに見つめるサーカス団員の描写。これらの描写によって生み出された対比効果により、奇妙な世界観が構築され、不気味な脇坂に対する緩和作用も働いている。また、本作には特徴的な演出がある。それは、脇坂の銃撃における銃声である。脇坂は合計3回発砲しているが、1発目と2発目の発砲時には銃声の効果音が無く、3発目のみ効果音が付けられている。劇中の流れとして、1発目と2発目の発砲時は暴発の危険性がある事が分かっておらず、2発目後にそれが分かり、タカとユージが野本麗子の部屋に駆け付ける。そして、階段を駆け上がる途中に麗子の部屋から銃声が聞こえる。これらの流れにおける銃声の有無の機能としては、「音が無い=暴発していない」すなわち「音が鳴った=暴発した」と思わせるミスリードの役割があり、麗子の部屋から銃声が聞こえた際、視聴者は暴発したのではないかと思うのである。本作のヒューマンは「偏愛」であるが、脇坂も麗子を殺す事はできなかった。事件解決後にタカとユージが、脇坂は撃てたのか撃てなかったのかの議論をするが、麗子との関わりの中で脇坂をユージより深く知ったタカに個人的には1票を投じたい。